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第二話「猿の面とベルゼさん」

私はベルゼブブ。ブタを模る豚の面、暴食を与えしもの。

今日はサタンとともに私が趣味でやっている畑の様子を見に来ました。

どうにも野菜たちの元気がなく肥料を足した方がよいのではないかというサタンの助言を聞き入れ、ホームセンターへと足を運んでいる最中です。


「ここ最近ぐんぐんと成長していたというのに、やはり農業というものは繊細であるな。」

「ええ本当に。ですがそういったところに魅力を感じているのですよ、私はね。」

「違いない」と頷いている彼はサタン。サルを模る猿の面、憤怒を与えしものです。

私が神であり、彼が天使だった時からの古くからの友人で、よく畑を手伝ってくれています。

小柄な私の体では難しい作業も、彼がサポートしてくれているので大助かりです。

おや・・?あそこにいるのは・・・


「げ、あんたたちなんでいるわけ?」

「猿の面ではないか!久しいな、恙ないか?」

「え?なに、筒がない?なんの筒?」

このぴちぴちギャルは猿の面。サタンと仲のよい友人だそうです。(サタン曰く)

少々荒っぽいが根は優しく(サタンry)とても純粋な心の持ち主なんだとか。(サry)

「で、あんたたちホームセンターなんかに何しに来たわけ?」

「私たちは畑にやる肥料を探しに来たのですよ猿の面。」

「へえ!畑にねえ!」

おや?何やら猿の面の表情が明るくなったような・・・

「あたしもよくじいさんの畑手伝うんだよ!面白れぇよな!」

なんと!このぴちぴち太ももギャルは畑同志だったようです。

人は見かけによりませんね・・・


「ついてこいよ、お勧めの肥料教えてやるからさ!」

「本当か猿の面!流石は我の認めたぴちぴち太ももギャルよ!」

「ぶっ飛ばすぞサタン」

声に出さずにいて心底ホッとしました・・・

というかサタンも同じことを考えていたのですね、後で語らねばなりません。


「これとか最高にいいぜ!ちなみにあれを土に混ぜとくと水の調節してくれんだよ。」

「ふむ・・・なるほど勉強になりますね。」

「奥が深いんだよなあ畑って!まあ参考程度にしてくれよ。」

少々荒っぽいが根は優しくとても純粋な心の持ち主。

なるほど確かに間違いないようです。


「ありがとうございます、猿の面。お礼に豚の面を差し上げます。」

「いらねえよ」

「まあまあ、遠慮なさらず」

「いや、遠慮とかじゃなくてマジでいらん」


ふむ、見返りを求めない無償の愛・・・これが別宗教でいうアガペーなるものですね。

神の愛を持っている彼女と元天使サタンの気が合うのも必然であるのかもしれません。


「じゃあな」

「さらばだ猿の面。また相まみえようぞ」

「あいまみ・・・?お、おう、あいまみー」

絶対意味わかってないですね・・・。

「では早速戻って肥料をやるとしよう、ベルゼブブ。」

「ええ、そうですね。」

人の子の力も借り育てる作物たち・・・更なる成長が楽しみです。




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